クンブメーラー2025:④沐浴について

インドヨーガ協会/IYAインターンの様子

はじめに

さて、ここで既に毎日の習慣のようにもなってきた沐浴/Snānについて、触れていきたいと思います。

沐浴/Snān

ヒンドゥー教徒にとって沐浴(Snān)は、魂の浄化と解脱(モークシャ)への道とされ、極めて重要な宗教的行為であるとされています。特にクンブメーラーは、天体の配置からエネルギーが最大化する吉祥な時期にあたるとされ、またサードゥ(修行者)や巡礼者が一斉に沐浴することで、神聖な場の力が高まり、解脱への助けとなると考えられています。

https://www.indiatoday.in/india/story/maha-kumbh-2025-prayagraj-untold-story-of-women-naga-sadhus-2665675-2025-01-16より引用

サードゥのような解脱を目的とした沐浴でなくても、ガンジス川などの聖なる川での沐浴は、過去の罪(カルマ)を清め、功徳(プンニャ)を積むと信じられています。

毎日IYAヨーガクンブに来ているゲストの皆さんと共に沐浴を行うことで、インドの方にとってのカルマの浄化徳(プンニャ)を積むといった沐浴の意義を肌で感じることができました。

日本組の皆さんも最初は「足だけ浸かるつもり」という方も見えましたが、インドの方の大迫力に押されて、結局頭までしっかりと全身沐浴、その後は連日全身沐浴されていました。その場にいると自然と沐浴が生活に馴染んでくるような感覚もあります。

人生初のマハークンブでの沐浴
日本組の皆さんも全身沐浴!すっかり馴染んでいます。

インドの沐浴は日本では「禊ぎ」に通じるところがあります。またハタヨーガでも多くの浄化法が出てきます。このようにある種の浄化作法としての沐浴で心身を清め、祈りの捧げる姿はとても美しかったです。

太陽に向かってガンジス川の水を捧げます
友人との祈り
個人での祈り
親子での祈り
夫婦での祈り
夫婦での祈り2

普段はIYAクンブメーラーから近い川岸での沐浴を行なっていたのですが、ある日ゲストの方にサンガムまで連れて行っていただきました。サンガムとはガンジス川、ヤムナー川、そして神話のサラスワティー川が交わる特別な場所とされています。サンガムへはボートで向かい、中州にボートを停めて沐浴を行います。

この日の沐浴では、「頭まで水に浸かるたびに特定の人を思い浮かべ、その名前を唱えなさい!」という教えのもと、家族や親戚、恩師、友人など、一人ひとりの名前を唱えながら沐浴を行いました。多くの名前を唱えるため、何十回も潜るというまさにスパルタ式の修行でした。体力的には大変でしたが、心は清々しく、感謝に満ちた貴重な体験となりました。また、高齢の方々も冷たい水に臆することなく何度も沐浴を繰り返す姿には、深い敬意を抱かずにはいられません。

また、多くの興味深い話の中でも特に印象的だったのは、ある方がクンブメーラーに来て家族に電話をかけた際、「電話は沐浴を済ませてからにしなさい」と言われたという話でした。それほどまでに、沐浴の優先順位は高いのです。さらに、その方は「もし、ここで沐浴をして今死ぬか、沐浴をせずに生きるかを選ぶとしたら、私は迷わず沐浴を選ぶね」と語っていました。その言葉から、インドの方にとってのクンブメーラーやそこでの沐浴が持つ精神的な意味の深さを改めて感じました。

一緒に食事をとりながら上記のお話をしてくれました。

おわりに

沐浴についての話はつきませんが、また他の記事でも少しずつ触れていきたいと思います。次回はIYAヨーガクンブでのヨーガセッションについて触れたいと思います。

タイトルとURLをコピーしました