クンブメーラー2025:⑧インドの働き方やクロージング・セレモニー他

インドヨーガ協会/IYAインターンの様子

はじめに

今回ふとしたきっかけでIYAヨーガクンブの10日間をスタッフとして過ごすことになりました。今回IYAがマハークンブにてキャンプを設置しようとしたのは、現会長のDr.ハンサ・ヨーゲンドラ女史の提案もあってのことだそうです。そして今回は2月7日(金)〜16日(日)までの10日間で計600人以上が参加するイベントとなりました。

IYA主催のヨーガクンブについて

クンブ・メーラーでのIYA主催ヨーガクンブは、最終的には大成功といってよいのではないかと思います。しかし、その道のりは決して平坦ではなく、特に宿泊関係では多くのクレームも寄せられました。スタッフも朝から夜まで、時には徹夜で働いていました。

クンブ・メーラーも、かつての修行の場という色合いが薄れ、次第に観光産業としての側面が強まっています。そのため、参加者の中にはホテルに宿泊するような感覚でキャンプに来る方もおり、「蚊が多い」「トイレがワイルドすぎる」といったクレームを入れる方も少なくありません。

最近は、クレームの多さでいえば、日本人の私よりもむしろインドの方々のほうが上回っているようにも感じます(笑)。

チェックイン待ちで騒然とするレセプション
夜遅くまで確認作業が続きます

昼夜大忙しの宿泊施設のスタッフ

また、キャンプ運営側もベッドの飽和状態が続き、部屋の準備や清掃スタッフの作業が追いつかず、ゲストはチェックインのために5時間以上待たなければならない状況が発生しました。さらに、疲労困憊した清掃スタッフが次々と風邪や体調不良を起こし、改めて運営の厳しさを実感しました。

そして、細かな裏側も含め(ここには書けませんが…笑)、インドでの働き方をじっくりと観察する貴重な機会となりました。

IYAスタッフの働き方

IYAスタッフはどんなに忙しくてもWork with Joy と言って、オンオフがしっかりとしています。自分の義務を果たしていれば、隙間時間にチャイを楽しんだり、もちろん沐浴にも行きます。

この写真は全ての仕事が終わってからのリラックスタイム
自分たちが一番楽しんでいる感もあります(笑)

ちょっと笑ってしまったのは、あまりに理不尽なクレームが延々と続いている時は、怒り狂って怒っている人の前で、真面目な顔をしつつ、手元を見るとインスタや家族とチャットメールをしていることがありました。この例が必ずしも良いとも思いませんが、物事にマジになり過ぎない、巻き込まれ過ぎないといった姿勢は生き方として参考になるなと思いました。

これも根本的にはインド哲学から来ているインド人の思考なのかもと思うところです。

皆でニームの木で歯磨き
笑顔が素敵です
IYA PrCBのアンキタさんと共に
IYAスタッフの中でも若くてキュートな2人
ここぞという時には仕事以外でもいろんな人を助けているのが印象的でした
リラックスのひと時

クロージング・セレモニー

閉会式は、ささやかではありましたが、温かな雰囲気の中で執り行われました。ゲストの皆さんから感想を伺うと、それぞれがこの特別な機会を通じて貴重な経験をされたことが伝わってきました。またその言葉の端々から、ここに来れたこと自体への感謝や感動があったことが感じられ、クンブ・メーラーがもたらす深い影響を改めて実感しました。

宿泊施設スタッフへの労いとして、表彰や贈呈も行われました。

運営スタッフの方へも感謝の表彰や贈呈
運営スタッフの方へも感謝の表彰や贈呈

Ayush省のブース訪問

最終日の夜にはスタッフの皆さんと夜のお散歩へ行きました。皆でチャイを飲んでいると、通りの迎えにAyush省のブースを発見。少し覗いていると声をかけてもらい、そこからIYAスタッフ皆でヨーガクラスに参加することになりました。

また、ちょうどのタイミングでウッタル・プラデーシュ州のAyush省大臣がブースを訪問されるという、まさに奇跡のような出来事が起こりました。メディアが大勢訪れる中、写真もご一緒させていただきました。

国家政策としてのクンブ・メーラー

インド中央政府やウッタル・プラデーシュ州も、クンブ・メーラーの開催を積極的に支援しています。クンブ・メーラーの会場では、モディ首相とウッタル・プラデーシュ州首相であるヨーギー・アディティヤナート氏の看板が随所に掲げられており、クンブ・メーラーが単なる宗教的な祭典にとどまらず、国家政策の一環であり、さらには一大産業として発展していることを実感しました。

モーディー首相のパネルと記念撮影
会場中に看板が建てられていました

クンブ・メーラーへの道—移動手段とその現実

ここからは少し交通や価格について触れたいと思います。行きのタクシーは、空港から会場へ向かう際にエージェントを通じて予約することができ、またUberを利用することも可能でした。しかし、クンブ・メーラーのエリアは混雑状況に応じて通行規制がかかるため、数キロ手前で車がストップする可能性があります。そうなると、次の選択肢は小回りの効くリキシャーになりますが、リキシャーですら通れない場所ではバイクが唯一の手段となります。スーツケースなど荷物が多い場合は、それでも頑張って抱えて進むか、バイクを2台手配して人と荷物を別々に運ぶ必要が出てきます。

また、インドの方々の中には、駅から3〜4時間かけて徒歩で会場へ向かう巡礼者もおり、その姿にはまさに「巡礼の旅」らしさを感じました。一方で、ニュースでは、1泊のみの予定で訪れたものの、会場にたどり着くのに時間がかかりすぎて、沐浴せずに帰らざるを得なかった人々もいたと報じられていました。

さらに、現地から空港などへのタクシー予約は、行き以上に困難を極めます。基本的にUberは利用できず、現地のエージェントや、タクシードライバーに直接コネクションがある地元のインド人を通じて手配するのが一般的です。ただし、その場合、エージェント経由よりも割高になることが多いのが現実です。

とはいえ、エージェントもほぼパンク状態。通常、予約はドライバーの連絡先が送られてきた時点で確定となりますが、何度も催促した末に、ようやく出発数十分前に決まるといったケースもありました。日本組の帰りのタクシーも3〜4件当たって、ようやく確保できたほどでした。それでも、最終的にはどうにかなるのがインドの不思議なところ。皆「困った、困った」と言いながらも、最後には何かしらの方法を見つけて解決してしまいます。

というのも、インドでは状況が刻一刻と変化します。道路が閑散としているかと思えば、突如として人が押し寄せ、大混雑になることもあります。また、モーディー首相が沐浴に訪れるとなれば、すぐさま大規模な通行規制が敷かれ、影響を受けた人々は数時間かけて徒歩で移動せざるを得ないこともあります。

こうしたインド独特のリズムを理解し、柔軟に対応できないと、クンブ・メーラーへの移動はかなりの困難を伴うだろうと、改めて感じました。

クンブメーラー価格

様々な値段設定はクンブメーラー価格となり、例えば普段のボート利用が50ルピーであれば、クンブメーラーでは1500ルピーへと跳ね上がります。しかしこの地に住む方は、こういった観光業で生計を立てていることも考えると仕方のないことかもしれません。

おわりに

まだまだ書ききれていないことも多いのですが、次回は帰りの珍道中についてシェアして、一旦クンブメーラーシリーズを終わりにしたいと思います。

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