IYA International Yoga Summit 2023体験記

インドヨーガ協会/IYAインターンの様子

北インドのハリドワールにあるデーヴサンスクルティ大学のキャンパスで開催されたインドヨーガ協会/IYAの3日間のカンフェレンス(11/17-19)にスタッフとして参加した時の様子をレポートしていければと思います。こちらの記事は体験記としての裏話となります。IYA International Yoga Summit 2023のメイン記事はこちらです。

現在2期目となるインドヨーガ協会でのインターン中ですが、今期のメインイベントは正にこの IYA International Yoga Summit 2023です。デリーには11月1日に戻って来ましが、その頃は準備の真っ只中で毎日主要メンバーとのZOOMミーテイング、電話やメール、参加者への連絡等が行われていました。

約2ヶ月ぶりの再会です
久々のAnuvrat Bhawanの昼食に舌鼓

今回日本人の方も参加されることもあり、こちらは基本的に外国人対応に回ることに。

外国人としてインドのイベントに参加するには、様々な難関をクリアする必要があります、笑

今回はその裏側がどのようになっているのかも含めてインターンの立場から紹介していければと思います。

まず申し込みに関して、WEBサイトから申し込みと支払いを行いますが、IYA側の外国人用PayPalアカウントが機能せず申し込みを完了できないという事態が発生していました。これに関してはIYAオフィスに戻る前から連絡を入れていましたが、担当者の動きなし。結局現場に戻ってからこちらの銀行口座WISEのアプリを通じてIYAの銀行口座に支払いをすることでクリアすることができました。

次に宿泊場所についてですが、カンファレンスはデーヴサンスクルティ大学のキャンパスで開催され、参加者は大学キャンパス近くのシャンティー・クンジというアシュラムに宿泊することになっていました。しかしインドの方の申し込みにて既に部屋は満室となり、WEBサイトには基本的に外部に自身で宿泊場所を予約するようにとのアナウンスが入っていました。

しかしここで容易に引き下がることは出来ません。パンフレットには宿泊費込みの案内が出ています。「外国人組はインドの方よりも多くの参加費を支払っているし、日本からサミットのために来てくれます。どうにかならないでしょうか。」と担当スタッフに直接交渉し、キャンセルが出たら優先的に入れてくれることになりました。(ここまでにも様々なストーリーがありますが長くなるので割愛します、笑) しかし待てども待てどもキャンセルなし。もうこれは現地で調整しかないかと思い始めたサミット前の最終日に遂に「Japanese friendsをゲスト部屋のリストに入れておいたわよ」と小声で天使の囁きが。ゲスト用のVIPルームを押さえていただけることになりました。こういうことがインドでは起こります。

インドのイベント準備はいつもギリギリです。イベント前は残業しながら出来る部分まで行って、残りは会場にて継続することになりました。この時点ではまだスケジュールも完成していません。参加者へ配布するバックやペンの一式の発注も、ディーワリーの時期と重複し作業員がいないと数店舗に断られ、途方に暮れかけたところ1箇所請け負ってくれる業者が見つかりました。ロゴのプリントなども本当に間に合うのか不安な状況でしたが無事に出発前日に全てが揃いました。ただハリドワールへの発送は間に合わないと、会場に向かう私たちスタッフが電車に乗せて運ぶことに。その為の打ち合わせが夜遅くまでチャット連絡で続きます。

カンファレンスは17日からですが、スタッフは前日入りの為16日に出発です。私も朝5時にオフィスに行き男性スタッフとともに参加者への配布キットを確保。リキシャーで夜明け前のニューデリー駅へ到着し、荷物と共にハリドワール行きの電車に乗り込みます。

電車ではホッと一息、朝食付きの電車でアルーチッキのサンドイッチを楽しみながら、新しく会ったボランティアメンバーとお喋りしながら電車で約4時間かけてハリドワールを目指します。

ハリドワール駅に到着したら、再び荷物を運ぶ作業です。数十分に及ぶ値段交渉の末、無事リキシャーに乗り込みガンジス川を眺めながら会場(主に宿泊)となるシャンティー・クンジに到着です。

会場についてからは、まず自分たちの部屋の確保です。私たちスタッフも何人部屋なのか、シャワーやトイレはついているのか、具体的な場所も当日まで知らされていません。当てられた女性部屋は2部屋、ベッドは各部屋3つ、女性スタッフは7人と赤ちゃん1人・・・あれ?ベッドが1つ足りません。1つ簡易ベッドが入れられることになりました。これがインドの平常運転です。

部屋に落ち着いたらすでにお昼2時頃となり、キャンティーンのランチタイムが終わる前に急いで駆け込みランチを確保。無事にランチが終わったら準備が始まります。デーヴサンスクルティ大学のキャンパスへ移動し、スタッフ関係者とミーティング、それからIYAの執行委員会や運営委員会の主要メンバーが続々と到着するのを迎え入れました。

今回スタッフとして参加させていただいたメリットの一つは、錚々たるインドのヨーガ・グルと会話をする機会や、皆さんの様子を舞台裏も含め見せて頂けたことだと思います。

サミット前日から大御所たちが会場に到着し、顔を合わせ、抱き合い、言葉を交わします。またデーヴサンスクルティ大学の学長室で首脳会談があり、そちらへも参加させていただきました。穏やかな雰囲気で顔合わせや近況報告が行われていました。そこで頂いたシャンティー・クンジのオリジナルハーブティーが大変美味しく、スタッフと”必ずお土産に購入しよう”と固く誓い合いました。(学長室へは携帯持ち込み禁止、写真禁止のため写真がありません)

その後は一般参加者の方も前日に到着する方が見えるとのことで 宿泊の受付業務に参加。夜20時を過ぎても続々と到着され、いつまで経っても終わりません。ふと不安になり「何時に終わるの?」と聞くと、「朝までよ、終わらないわ」と衝撃の返答が。インドの電車やバスの事情により深夜の到着もあり、その方へも対応するとのことでスタッフは徹夜対応とのこと。しかし本日朝4時前に起床、自分たちも移動がありこちらヘトヘトです。皆さんヘトヘトなのは承知なのですが「ごめんなさい」と22時過ぎに部屋に戻らせてもらいました。部屋に戻るとオフィススタッフの1人がまだ働いており「Soko、ちょっと書類手伝ってくれる?」と・・・普段はNoとあまりいうことはないのですが、この日は限界突破していたので「ごめんなさい、無理です」と帰室後10分で就寝。

しかし試練は続きます。ここはシャンティー・クンジ・アシュラムで、ずっとガヤトリー・マントラのチャンティングが聞こえてきます。そして明け方3-4時にはチャンティングの音量が大きくなり、目覚まし時計のような音量で目が覚めます。ここシャンティー・クンジ・アシュラムはガヤトリー・マントラを一般に普及したことで有名な場所で、ガヤトリー・マントラのチャンティングは大切な精神的サーダナです。しかし今回ばかりはスタッフ全員が夜中に鳴り響くガヤトリー・マントラで睡眠不足状態に。しかしそんな眠たさもカパーラバーティと共に吹き飛ばしながら準備を整え出発です。

メインの会場となるデーヴサンスクルティ大学のキャンパスに到着すると、早速日本人組と再会することができました。今回サミットに参加してくださった日本人組はIYAメンバーかつKaivalyadhama Yoga Instituteのオンラインコースメンター/受講生の方々です。IYAのSG/事務総長であるスボード・ティーワリー氏はKdhamのCEOです。IYAサミットでのKdham組の再会は非常に嬉しいひと時となりました。

開会式ではIYAの運営評議会、執行委員会の主要メンバーが勢揃いです。現在IYA総裁のシュリーシュリー・ラヴィシャンカル氏は現地参加が叶わずオンラインで参加されました。サミット1週間ほど前に総裁が出席できないという連絡が入った時はあまりの衝撃でIYAオフィス内が一瞬固まりましたが、最終的にオンライン参加となりました。特にIYAの主要メンバーが壇上で手を繋ぎ、頭上に掲げるシーンはとても印象的でした。

今回のサミットはディーワリーの時期と重複していることもあり、電車のチケットが取れない等の理由により直前のキャンセルも多々ありました。プネー大学ヨーガ専攻同級生も参加予定でしたが電車のチケットが予約時キャンセル50人待ち、結局29人待ちまで行きましたが残念ながら座席確保できず。同様にワークショップ担当者やパネルディスカッションの登壇者のドタキャンもあり、本番直前までスケジュールを調整し続けるという状況でした。しかしこれがインドの平常運転、常にフレキシブルに状況にアジャストしていきます。当日になってみないと何人来場できるのかも不明でしたが最終的に合計約400名近くの方が参加されました。

サミット中私は受付グループに配属となり、来場者へのIDカード、記念品、参加証を配布する役割を担いました。しかしここもインド式発動、IDカードを渡すこと、記念品や参加証があること、それをどこで受取るなどのアナウンスがないので常に混乱ぎみ。名簿も一応ありますが、系統的でないので飾りのような存在です。心の中で「このリスト全く意味ないな・・・」と思いつつも、郷に行っては郷に従って、インド式の受付を経験しました。日本では看護師としてワクチン接種業務にも関わっていた時期があるのですが、改めて日本のシステムのレベルの高さを実感。ただシステムは整っていませんが、細かいことは気にせず、チームワークとポジティブさで何とか乗り越えていけてしまうのがインド式の醍醐味でもあります。

スケジュールも当日まで変更が続きます。最終のドラフトが完成したのがサミット開始の当日。その後も変更が続きます。参加者はアプリのバーコードをスキャンすることで、スケジュールがオンラインで確認できるようになっていましたが、画面が見にくくクレーム多発。結局400人の参加者に対して、A4サイズのスケジュールが受付に1枚張り出される形となりました。おそらくこのA4スケジュールの存在に気付いた方は数十人程ではないでしょうか。

先ほども少し触れましたが今回日本から5名のIYAメンバー代表者が来てくださいました。これはインド側に対しても非常に大きなインパクトを残したことと思います。諸外国に比較して日本はIYAメンバーシップもKdhamのオンラインコース卒業生を中心に順調に拡がっています。インド伝統のヨーガに敬意を示し、真摯に学んでいる方々の存在は、インドの方からも歓迎されていることを肌で感じました。

各種ワークショップではArt of Living, Iyenger Yoga, Krishnamacharya Yoga Mandiram, Adhyatm Sadhna Kendra(Jainism)などに関係するIYAメンバー代表者やアソシエートセンターのコンダクターにより、多彩なワークショップが開催されていました。普段1つのスクールで学んでいると垣間見る機会がない、様々なスクールの指導を直接体験できる貴重な機会だったと思います。

サミット中も大きな混乱はなく、あっという間の3日間で無事に閉幕。

当初スタッフ帰宅の予定は、サミット終了翌日の20日早朝予定でしたが、18日夜22時頃に「20日はフェスティバルで電車が止まる」という連絡が入り急遽19日サミット終了直後に帰宅することになりました。そのためスタッフと予定していたガンジス川沐浴は中止、サミット後は猛烈な勢いで片付け、荷造りです。それでもみな文句も言わず、協力しながら帰りの準備を進めます。お土産は手分けしてみんなの必要なものをまとめて購入します。こちらの美味しいハーブティーだけは必ず購入する!と皆で固く誓った茶葉も無事に購入することができました。電車の時間にも間に合いほっと一息です。

帰りの電車は寝台列車用の向かい合いの席(S3)で、皆で愉しくお喋りしながら時間を過ごします。ただ電車旅の醍醐味でもある車内での食事を取ろうとした際に、停車する駅に食事が売っていないという事態が発生。インドには駅にデリバリーしてくれる配食アプリがありますが、今回はフェスティバルの関係もあってかサービス使えず。皆で持ち寄ったスナック菓子でひたすら空腹を紛らわします。

食事を取ろうとしてから1時間ほど経過した頃に、ようやくチョーレー・クルチェを手にいれることが出来ました。しかしクルチェ(パンの部分)が冷たく、また豆が硬いと皆で不満ブーブーです、笑。そんな場面も愉しみつつ、ワイワイと雑談を続けながらデリーの駅に着きました。今まで電車で大声で喋り続けるインドノリにはあまりついていけないと思うことが多かったのですが、今回はなんだかこのノリが愉しいと思うようになりました。また逆境の状況でも兎に角笑い飛ばし、ダンスや歌で気分を上げる、そんなテクニックも見習うべきところだと思いました。

駅に到着してからは、最後残った記念品をオフィスに運ぶという任務を担いました。

当初「IYAが駅からオフィスまでのタクシーを予約する」という話でしたが、駅についてみると「Soko,タクシー予約した?」との質問が。常に話が変わるのには慣れているので、UBERでタクシーを予約しようとするも駅の出口の関係でタクシー捕まらず。結局夜23時に流しのリキシャーで移動することになり、さすがに怖いというと男性スタッフが一緒に来てくれることになり、一緒に最後の任務を完了し無事に帰宅することができました。

現在オフィスに戻り通常業務を再開していますが、キャンセル料対応、サミット中に配布できなかった参加証の対応、各種フィードバックやクレーム対応などでサミット前より盛り上がっています、笑。

サミット前後に様々なことがありましたが、全ての過程を含め非常に充実したスタッフ参加となりました。基本的にインドにいると言えど外国人用の宿泊施設や食事場所、長距離移動は飛行機ということが多いですが、今回はインドのスタッフの方と全く同じ環境で食事や宿泊も共に過ごす貴重な経験となりました。インドの方との距離が更にグッと近くなったようにも思います。

今後IYAのカンファレンスは年に4回の開催を予定しているうとのことです。正直ムリでしょ、と突っ込みたくなりますが目標は常に高く掲げるのがインド式でもあります。IYAのさらなる発展を願い、今後とも自分なりのサポートを継続していければと思います。本当にありがとうございます。多謝。

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