穂高養生園2024春ワークショップ報告

セミナー&ワークショップ情報

はじめに

みなさん、こんにちは!みなさん最近はいかがお過ごしでしょうか?

こちらは約1年ぶり5月8日に日本へ帰国してから各種ワークショップ、自身の博士課程進学を目指しての奨学金申請の準備など忙しくしていましたが、現在ホッと一息ついているところです。

さてブログの更新も久しぶりとなってしまいましたが、先日6月7日(金)〜9日(日)に長野県安曇野市にある穂高養生園にて行なったワークショップ「竹内想子とはじめるヨーガ・セラピー〜ほぐし、ゆるめて、ととのえる〜」が無事に終了しました。その様子を一部ご紹介させていただきたいと思います。

穂高養生園とは

主催していただいた穂高養生園は1986年に誕生した「体にやさしい食事・ヨーガや散歩などの適度な運動・心身の深いリラックス」の3つのアプローチにより、誰にでも本来そなわっている自然治癒力を高めることを目的とした宿泊施設です。

有明駅から車で15分ほど登るとこちらの看板が見えてきます
6月上旬のお花たち

こちらは養生園のホームページからの一部抜粋です

身体の声を聴いていますか。

人は、誰にでも、自分を癒やし、治す力が備わっています。私は、(中略)自然治癒力こそが治癒のキーポイントであると考えました。偏った食事や運動不足、ストレスや疲労は病気の原因にもなりますが、これらのマイナス要因をプラスに転化させると、自らの治癒力を高めることになります。

養生園では、「食事・運動・休養」という総合的な観点から、体調を改善するための様々なプログラムを提供し、より健康になっていただくことを目指しています。(後略)

代表福田 俊作氏 https://yojoen.com/about/index.html

ヨーガの目的

実はこの養生園の目的は、ヨーガ (特にハタ・ヨーガ)の目的と同じです。ヨーガ的視点を持ったライフスタイルの工夫や、様々な身体技法によって本来私たちが持っている自然治癒力を高め、健康やウェルネスを目指します。

ただヨーガにおいては更にその先にある全ての苦しみからの解放、精神性に基づいた人格の統合、サンスクリット語でいうモークシャ、カイヴァリヤ、ニルヴァーナなどといった人間としての最終的な目的に向かう長い旅路が続きます。

今回はそんな旅路の第一歩として、ヨーガをセルフケアのツールのお供とするために、ご参加の皆さんとヨーガについて学び、実践していきました。

今回のプログラムの簡単な概要

講義では自然治癒力/ホメオスタシス、ストレス、心身症、リラクセーション理論、ヨーガの目的、ヨーガの歴史(特に技法にまつわる近代史:クヴァラヤーナンダ〜WHO-CC)、パタンジャリ・ヨーガ・スートラからアシュターンガ・ヨーガ、慈悲喜捨(チッタ・プラサーダナ)、スートラとみる心身相関理論(スートラに見られる症状や対処法)、現代的実習の体系などを取り扱いました。

ちなみに、ヨーガ・セラピーと聞くと、「◯◯の症状には△△の実習が良い」と思われがちですが、実はそれはほんの一部分に過ぎません。大抵の疾患(特に心身症や生活習慣病)の原因は共通しており、それに対するアプローチも共通しています。具体的には、ストレスや生活習慣による自律神経の乱れが原因となります。そのため、過剰に入った緊張を解き、心身ともにリラックス状態を促進することで、多くの問題が解消されます。また、ヨーガの哲学的思考の応用は、心のストレス解消やヒーリング効果につながります。これは、追求するうちに煩悩を滅し、あらゆる苦痛から解放されるというヨーガの根本的な部分にも繋がります。

実習では学んだことを経験するために各種リラクセーション技法、浄化法、関節運動/柔軟体操、アーサナ(ポーズ)、プラーナーヤーマ(ヨーガ的呼吸法)、ムドラーやバンダ、メディテーション、ライフスタイルや日常への応用についてなどディスカッションを含め取り扱っていきました。

ちなみにこれらはWHO-CC(collaborating Center)であるインドの国立ヨーガ研究所(MDNIY)からリリースされているガイドブックに沿った内容となっています。こちらのブログで連載もしています。初回記事のリンクはこちら

このガイドブックにあるように、特に自然治癒力を向上するような実習として各種浄化法、ムドラーやバンダの実習は大切です。これらはプラーナーヤーマ(ヨーガ的呼吸法)を更に効果的にする役割も担っています。

今回は一般的に鼻うがいとしても知られるジャラ・ネーティーをはじめ、吸引用カテーテルを鼻から通して鼻腔をマッサージするラバー・ネーティー、微温湯で作った生理食塩水を使った上部消化管の浄化法であるボーマン・ダウティなども行いました。

またさらに口から微温湯を含んで鼻から出すシーット・クラマ・カパーラバーティ、鼻から微温湯を吸って口から出すヴュット・クラマ・カパーラバーティ、そして風(呼吸)を使って鼻腔を洗浄するヴァータ・クラマ・カパーラバーティの実習も行いました。

ジャラ・ネーティー:水を使った鼻腔洗浄
ラバー・ネーティー:ゴム(吸引チューブ)を利用した鼻腔洗浄

ちなみにこれらは全てオプションですので、強制ではありません(笑)ヨーガにはちょっと風変わりな技法もありますが、みんなでやれば出来てしまうということも多く、このようなワーク中に一緒に実習ができることはチャンスだと思います。今回もみなさん経験者の方が率先してお手本を見せてくださったり、励ましの声かけをしてくださり、初めての方も積極的に取り組んでみえました。

生活に浸透するようなヨーガ実習へ:おうちヨーガの視点

今回皆さんと一緒に取り組んだミッションは、ヨーガの実習をどのようにそれぞれの生活に取り入れていくか/浸透させていくかを一緒に考えることでした。ヨーガをワークショップやイベント毎で終わらせるのではなく、ご自宅で続けること、おうちで行うセルフケアメソッドとして活用することは非常に大切です。そこには技法の実習だけでない、生活習慣、もしくはもっと大きな概念であるライフスタイルをも包括する必要があります。

洗面所で行うことができる実習、台所で食事の準備の隙間でも行えるようなポーズなども含めて一緒に検討をしていきました。まずは数分からでも、一旦ご自身の体や心に目を向けて感じることはとても大切です。そんなちょっとした取り組みの積み重ねにより、リラックスした心身の感覚や、不安定な心が安定していくのが実感できるはずです。また周囲の環境としてご家族との関係や、ちょっとした考え方、人生の優先順位なども大切なヨーガの取り組みとなります。

そういった実践および経験の積み重ねは、ヨーガをもっと実習したい!もっと知りたい!といったモチベーションにつながるはずです。このような内的動機の影響が大きいのもヨーガの特徴となります。

環境のサポート

養生園のある安曇野の森、そしてプログラムに含まれる原生林散策、創意工夫と思いがこもったお料理、温泉など全ては、私たちの自然治癒力をぐいぐいと引き出してくれます。

原生林 スタッフの方の案内で湧き水も飲めて最高のお散歩に
ヨーガワークならではのカレーランチ
スタッフ手作りしあわせビスケット
お野菜たっぷり、大満足のお食事です
大自然に囲まれての温泉入浴
自然をメキメキと感じます

そんな環境を提供し支えてくれている養生園の方々、自然を含む周囲の環境には感謝してもしきれません。

おわりに

また私毎ですが2014年にインドのヨーガ研究所の付属カレッジの短期コースに参加してから、長期のDYEdコース、インターンシップ、修士課程とヨーガの勉強を続けてきてちょうど10年の節目となります。また養生園にも2015年からヨーガワークショップの生徒として、その後アシスタントとしてお世話になっていましたが、今回は講師役として初めてのワークショップでした。

オリエンテーションの始まりのシーンを撮ってくださっていました 
おかげさまで満員御礼、ありがたい限りです

2015年からずっとお世話になっている先生方、養生園のスタッフの皆さん、ワークへご参加の皆さん、そしていつも応援してくださる方々に心から感謝申し上げます。

おまけ

ちなみにワーク翌日は、養生園スタッフの皆さんとヨーガクラスを行いました。浄化法の実習から始まり、一通りのヨーガ・セッションを実施。養生園ではキッチンスタッフの方も含めヨーガなどへの関心が高いです。

その後は、スタッフの方との朝のティータイム。美味しいケーキ、チェー、お庭で収穫したいちご、ルイボス&ハイビスカスティーを準備していただき、森エリアでいただきました。最高の贅沢な時間です。

まずは提供する側、スタッフが幸せてあることはとても大切です。良い意味でスタッフ・ファーストの養生園。提供者の幸せは、ゲストさんへも良い影響があること間違いなし!

ワークショップ前後は恒例の有明山神社へ参拝。

ワークの前後は有明山神社へ参拝です
今回も大変お世話になりました

こちらでは以下のような祝詞を唱え得ます。

祓え給い(はらいたまえ)、清め給え(きよめたまえ)、神ながら(かむながら)、 守り給い(まもりたまえ)、幸せ給え(さきわえたまえ)

この度も本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。

さて来週国際ヨーガ・デーは長野のイベントへ講師として参加させていただきます。長野県にお住まいの方はぜひお越しください!

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