はじめに
ラオス訪問にあたりヴィエンチャン、ルアンパバーンの紹介が続いています。前回の記事では伝統芸術民族センター(TAEC/Traditional Arts and Ethnology Center)について紹介しました。
今回はラオスの負の遺産とも言われる不発弾についての展示がされているラオス不発弾ビジターセンター(UXO Lao Visitor Center)についてご紹介できればと思います。
ラオス不発弾ビジターセンター(UXO Lao Visitor Center)
UXOとはUnexploded Ordnance”の略で不発弾薬のことを指します。UXOビジターセンターでは、不発弾の多くを占めるクラスター爆弾の実物展示や、除去活動の様子や被爆者の生活の様子についての展示がされています。
施設に入ると敷地にミサイルを使用したオブジェが並べられていました。
展示室自体は一部屋ですが、展示の内容は非常に濃厚でメッセージ性に溢れています。
ラオスは歴史上「人口1人あたり世界で最も爆撃を受けた国」と言われています。1964年から1973年の9年間、ベトナム戦争の最中にラオスは8分に1個の爆弾に襲われたとされています。戦争中米軍はラオス上空に50万回以上の爆撃を実施、200万トンを超える爆発物がラオスに投下されました。その数は2億4000万発近くに達し、そのうち8000万発が不発弾としてラオスの地上に残っていると推定されています。
そして政府が統計を取り始めた2008年から2027年までにかけは、ラオスではほぼ2週間に一人が不発弾により死亡、2022年までに累計1000人以上の死傷者を出したとされています。
1996年から2017年までに、UXO LAOは約805, 000この爆弾を処理したとされていますが、これは国内全ての爆弾の約1%にとどまり大きな課題として残っているとのこと。
地雷などの不発弾の撤去には多額の費用、時間、人材などが必要となります。必要物品やその過程についての展示もありました。
展示室自体は入館無料ですが、不発弾撤去へのドネーションの受付ボックスがありました。またティーシャツ、回収後の金属を再利用したキーホルダーなども販売していました。これらの売り上げも不発弾処理への支援に充てられるとのことです。
この日のナイトマーケットでは、これらのキーホルダーを販売しているお店を数点見つけました。今までは知らずに素通りしてしまっていましたが、この日はキーホルダーを購入しました。キーホルダー1つの購入は微々たるものですが、多くの方からのサポートが届くことを願います。