カイヴァリヤダーマ・ヨーガ研究所(KDHAM)日本組受講生対応のヨーガ・インストラクター・コース(YIC)再開(2024/03/24-04/07)

カイヴァリヤダーマヨーガ研究所/KDHAM関係

はじめに

みなさん、ナマステ/こんにちは。久しぶりのブログ更新となります。ここ数週間はインド・マハーラーシュトラ州ロナヴァラにあるカイヴァリヤダーマ・ヨーガ研究所/Kaivalyadahama Yoga Institute/Kdhamにて日本組向けYoga Instructor Course/YIC (2024.03.24-04.07)のメンター/コーディネーター/通訳としてサポートに注力させていただいていました。ここでは新型コロナ・パンデミック勃発により延期となり、4年振り待望の再開となったプログラムの様子の一部をご紹介できればと思います。

カイヴァリヤダーマ・ヨーガ研究所/KDHAMとは

カイヴァリヤダーマ・ヨーガ研究所/Kaivalyadhama Yoga Institute/KDHAMは、スヴァーミー・クヴァラヤーナンダ(本名ジャガンナータ・G・グネー30/08/1883-18/04/1966)により1924年に創設され、今年100周年を迎える老舗のヨーガ研究所です。ここには付属カレッジ、ホリスティック・ヘルスケア・センター(HHCC)、サイエンス分野や哲学文献分野の研究所(SRD,PLRD)などがあります。

私にとってはプネー大学でのヨーガ修士専攻の前に、KDHAMの付属カレッジにてCCY/Certification Course of Yoga (2014)、DYEd /Diploma in Yoga Education(2017-2018)、インターンシップ(2019-2020)と計2年ほどヨーガの理論と実習のために滞在していたヨーガの原点/ホームのような場所です。

スヴァーミー・クヴァラヤーナンダ氏
スヴァーミー・クヴァラヤーナンダ氏のサマーディ
100周年記念用のスヴァーミージーの置き物

Online YIC/Yoga Instructor Courseとは

今回取り上げているOnline Yoga Instructor Course/YICは2014年に開講されたコースで、ビデオ教材を使った100時間の理論面の学習とレポート提出と、現地での2週間スクーリング (100時間)の実習/理論/試験の組み合わせで構成されたハイブリッドコースです。オンラインで学べるビデオ教材の部分は、より多くの方にヨーガが届くようにとコロナ禍にディスカウントが始まり、現在もなんと200ドルで登録することが出来ます。ちなみにこのビデオ教材は日本語対応となる準備が進んでいます。

現地KDHAMキャンパスでの2週間のスクーリングは公募で年4回開催されています。これに加え日本語に対応した通訳やコーディネートを加えた日本人組受講生を対象としたプログラムが2016年から開催されています。こちらは私の先輩/先生である相方宏・ひで子先生をはじめ、KDHAMの付属カレッジのDYEd(9ヶ月コース)卒業生が有志でサポートに入っています。

日本組受講生向けのYICプログラム

今までこのような日本組受講生を対象としたプログラムは2016年/2017年/2018年の3回実施され、2019年はオンラインコース修了生対象のステップアップ・コースが実施されています。私は2018年からサポートに入っています。そして2020年3月にも4回目のスクーリングが予定されていましたが、新型コロナ・パンデミック勃発により延期、今回は4年振りの再開となりました。4年間の間にインドのヨーガ全体の規格化/学歴化が進みコース自体もシラバスがより明確となり、コーディネーターの入れ替わりなども重なったことで、サポート側も新たなプログラムをここから作り上げていくという意識で取り組んでいきました。

KDHAMインフォメーションセンターのスタッフ 
最高の笑顔で出迎えてくださいました
新たなワークショップのコーディネーターのリールムさん 

今回のYICプログラムについて

プログラム準備

今回は打ち合わせのためコース開始の1週間前からKDHAMへ入り、CEOのSubodh Tiwali氏、プログラム・マネージャーであるMr. Bernardさん、新しいコーディネーターであるMs. Reelumさんと連日のミーティングを重ね、実習/講義/試験の詳細について日本人組向けに調整を行なっていきました。KDHAMでは各講師に講義を依頼するには、電話やメールではなく、講師に直接依頼・確認する必要があるので、数日は挨拶と講義依頼に周ることとなります。忙しい講師群との予定の調整はコーディーネーターとしての山場となりますが、リールムさんの助けもあり終始スムーズに進行していきました。また挨拶周りでDYEdコース中などにお世話になった恩師に会うことができることは、嬉しいお仕事でもあります。

Dr.バレーカル先生とその著書「Therapeutic Applications Hathayogic practices」と共に
PLRD でのインターンでお世話になったProf RK Bodhe先生(右)

プログラムの内容

今回23名(内4名はリピーター)の方が参加されました。この中にはコロナ禍から再開を待っていた方も含まれます。スケジュールとしては、大体以下のような感じとなりました。

実習面では朝の自己実習(Self-practice)、シュッディ・クリヤー(浄化技法)の実習(Shusshi Kriyas)、朝夕のアーサナ、プラーナーヤーマ、メディテーション、マントラを含めた各種ヨーガ実習(Yoga Abhyasa)があります。

レクチャー/講義は午前に2コマ(Lecture-1/2時間)、午後に1コマ(Lecture-2/1時間)あります。ちなみに試験は2週目の木曜日に設定されています。

シュッディ・クリヤー(浄化技法)

今回浄化法の実習であるシュッディ・クリヤーでは、通常のジャラ・ネーティ(水を使った鼻腔の洗浄)、ラバー・ネーティ(ゴムチューブを使った鼻腔の洗浄)、ヴィユット・クラマ・カパーラバーティ(鼻から水を入れて、口から出す)、シーット・クラマ・カパーラバーティ(口から水を入れて、鼻から出す)、ヴァータ・クラマ・カパーラバーティ(風で鼻腔を浄化するいわゆる一般的なカパーラバーティ)、ボーマン・ダウティ(水を使った部消化管の洗浄)に加え、リクエストのあったダンダ・ダウティ(ゴムチューブを使用した上部消化管の洗浄)やヴァストラ・ダウティ(布を使った部消化管の洗浄)の実習も行いました。

ダンダ・ダウティの実習
ヴァストラ・ダウティの練習に挑戦されています

各種ヨーガ実習

各種ヨーガ実習は、ヨーガ指導歴40年以上のサンディヤ・マダム(Acharya Sandhya Dixt)が担当してくださいました。ハタ・ヨーガの主要伝統文献である『ハタ・プラディーピカー』『ゲーランダ・サンヒター』、Kdhamの創設者スヴァーミー・クヴァラヤーナンダにより始まったヨーガ研究を掲載したヨーガ雑誌『Yoga Mimamsa』や、著書である『Asana』『Pranayama』『Yogic Therapy』の内容を引用しながらのクラスはKdhamのキャッチフレーズであるWhere Yoga tradition and Science meetをそのまま体感できるクラスでもあります。

レクチャー/講義

レクチャーも、Kdhamを代表する講師陣であるDr.ボーガル(Dr.R.S.Bhogal),Dr.バレーカル氏( Dr.S.D. Bhalekar), ボーデー氏(Prof.R.K.Bodh)をはじめ、特別講師としてDr.ガネーシュ・ラオ氏(Dr.Ganesh Rao)にも来て頂きました。オンラインでの事前学習に加え、各トピックの主要なコンセプトに直接触れる良き機会となったのではと思います。

  • Techniques & Understanding of Shat Kriyas/シャット・クリヤーの技法と理解
  • Anatomy & Physiology og Asanas/アーサナの解剖学と生理学
  • Science of Meditation/メディテーションの科学
  • Traditional Approach of Pranayama/プラーナーヤーマの伝統的アプローチ
  • What is IYA and YCB and their significances/IYAとYCBとは何か?
  • Relevance o Indian Philosophy in Modern time/現代におけるインド哲学の関連性
  • Relevance of Indian Psychology with the special reference of Samkhya- Yoga/インド心理学とサーンキャ・ヨーガの関連性
  • Yoga and Mental Health/ヨーガとメンタルヘルス
  • Introduction to riya Yoga/クリヤー・ヨーガの紹介
  • Teaching Methods and Lesson Planning/ヨーガの教授法とレッスン・プラン
  • Yoga and Value Education/ヨーガと価値教育
  • Introduction to Naturopathy/ナチュロパシーの紹介
  • General Discussion/ディスカッション
日本語通訳付きで講義が進行します
Dr.ガネーシュ・ラオ氏とともに

新たな取り組み/IYAやYCBについて

また新たな取り組みとしてインドヨーガ協会/IYA/Indian Yoga Associationや、ヨーガ教育委員会/YCB/Yoga Certification BoardについてもDr.ラージャニーシュ氏(Dr.Rajanish Sharma)に解説して頂きました。Dr.ラージャニーシュ氏は私が2014年にKDHAMでCCYを受講した時のアシスタント・ティーチャーで、昨年IYA PrCBでのインターンをしていた時にはIYA PrCBでYCB試験を担当されており大変お世話になった先生です。ラージャニーシュ先生のサポートでDYEdの学生さん向けに開催されていたYCB試験へも急遽見学参加させて頂きました。

今後Online YICを修了した方を対象に日本人向けYCB Level2(Yoga Wellness Instructor)の試験を開催する予定です。

試験

試験は3部構成でデモンストレーション、レッスン・プラン、質疑応答があります。これに加え事前のレポート提出が必要です。皆さん忙しいスケジュールの中、伝統文献などの資料を活用ししっかりと準備をされてみえました。

レッスン・プランの試験風景
一人一人が先生役となりクラスを行います

自主ミーティング

夜には自主ミーティングとして経験のシェアや、その日講義で出てきた技法を実際に実習する時間に当てていきました。

空き時間

空き時間には、図書館での自習の時間に当てたり、またナチュロパシーやアーユルヴェーダのトリートメント/施術を受けたりすることもできます。インドではAyush省(インド伝統補完代替医療省)の枠組みの中にナチュロパシー、アーユルヴェーダ、ヨーガなどが全て含まれますのでこれらを包括的に体験できるのも魅力の一つと言えると思います。

IYA/インドヨーガ協会やYCB試験との関連

KDHAMはインドヨーガ協会/IYA/Indian Yoga Associationの中でも、組織を主導する機関/団体であるLeading Instituteの1つです。IYAのシラバスに準拠したコースを修了することでインドヨーガ協会/IYAのメンバーシップに加入することも出来ます。

https://kdham.com/yoga-instructors-course/より引用

またインド政府管轄下のヨーガ教育委員会/YCB/Yoga Certification Boardによって規定されるヨーガ検定制度のシラバスに沿った内容となるので、この枠組みでヨーガを勉強することでYCBの規格を満たしたヨーガ・インストラクターを目指すことが出来ます。同時にこれはWHOの規定を満たすことにもなります。

オンライン教材の日本語版がリリース予定

また今回の大きな進展としてDr.村上真氏 (Ph.D in Psychology/YIC2016)によって作業が行われたオンライン教材の日本語版がKDHAMの公式サイトに正式に埋め込まれることになりました。これにより英語が苦手でコースの登録を控えていた方々もより気軽にヨーガの勉強ができる環境が整うことになります。多大な貢献をしてくださったDr.村上真氏および日本チームへはKDHAMから公式な感謝状も届いています。

アクティビティ

ホーリー・祭り

今回のYICコース初日がインドのお祭りホーリー祭りにあたり、参加者全員でKDHAMで行われていたお祝いに参加させて頂きました。KDHAMの100周年およびホーリー祭りで始まるプログラムは幸先の良いスタートとなりました。

Lonavla Yoga Instituteへの訪問

1週目の日曜日にはKDHAMでの授業はお休みなので、同じロナヴァラ地区にあるLonavla Yoga Institute/LYIへ訪問しました。こちらはKDHAMのCollageの学長を務めてみえたDr.M.L.Garothe氏が設立、現在は息子であるDr.M.M.Garothe氏がディレクターを務めてみえます。Dr.M.M,Garothe氏は現在プネー大学体育教育学部ヨーガ専攻で特任教授を務めている私の恩師でもあります。ここではヨーガにおける伝統文献の重要性や、伝統的ヨーガ/ヨーガ文献の継承・保全の為のLYIの活動について解説をして頂きました。

そのほかにもKDHAM裏の丘にあるスーヴァーミジーが瞑想に使用していた洞窟、美しい花畑と広大なダムが広がるTATAダム、湖での湖水浴、KDHAM近くのナラヤニダム・テンプル(Narayani Dham Temple)などを訪問しました。

スーヴァーミジーが瞑想に使用していた洞窟
KDHAM裏の湖
湖へ向かう道のり
運が良ければ水牛に
ナラヤニダム・テンプル訪問

気候

3月後半から4月は初夏となり日中は気温が上がりますが、デカン高原にあるロナヴァラは湿度が低く暑くても比較的過ごしやすい気候と言えます。ご参加の皆さんも大きく体調を崩されることなく揃ってShri O.P.Tiwali氏のもと修了式を迎えることができました。

93歳を迎えられたShri O.P.Tiwali氏
修了式での集合写真

食事

食事は1日3食のインド・ベジタリアン食となります。スパイスも控えめで優しい味で、消化に良いものが提供されます。インドに慣れていない日本人の方にも比較的好評です。写真は昼食の例となります。

さらに2回のハーバル・ティーが提供され、午後のティータイムにはフルーツも提供されます。

今後の日本組受講生向けプログラムの展望

今年の年末にはYCB試験受験とセットになった1週間のプログラムや、来年2025年3月には次のOnline YICプログラムが検討されています。

おわりに

今回のプログラムは今までのYICに加え、現代のヨーガ改革が遂に本格的に海外組の私たちにも波及してきたことを感じるものとなりました。KDHAMのYICの日本語対応も併せて今後のヨーガの動きがより愉しみとなっています。

今回のプログラムでご一緒させていただいたKDHAMスタッフ、日本組のみなさん、すべての方々へ心より感謝しています。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

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