はじめに
ベトナム滞在ではバクニン省のパゴダやテンプルをはじめ多くの場所に連れて行っていただきました。せっかくなので記録も兼ねて全てを紹介できればと思っているのですが、まずはハノイ周辺のホアン・キエム湖、玉山祠 (ぎょくさんじ/Đền Ngọc Sơn) 、鎮国寺(チャンクオック寺/Chùa Trấn Quốc)、ホー・チ・ミン廟、タンロン王城遺跡、タンロン水上人形劇場、ベトナム国立歴史博物館、ハノイ大教会、ハロン湾について記載していきます。国立ベトナム歴史博物館やハロン湾などについては今後別枠で詳細を紹介できればと思っています。
ホアン・キエム湖
ホアン・キエム湖は、ハノイ中心部にある湖の1つです。ハノイの象徴的な観光スポットになっています。ハノイを散策していると、その中心に突如として美しく大きな湖が現れます。かつては紅河とも繋がっていたそうです。季節や時間帯によっては霧がかかっていることもあり、私が訪れた際も幻想的な雰囲気が漂っていました。
この湖の名前のホアン・キエムという言葉は「還劍」という意味を持っています。その名の通りこの湖には還劍にまつわる伝説があります。ここにはWikipediaの解説を引用記載しておきます。
黎朝(れいちょう、1428年 – 1527年、1532年 – 1789年)の初代皇帝黎利が湖の宝剣を手にし、その剣によって明との戦いに勝利した。その後、黎利は湖の上で金の大亀 (Kim Qui) から平和になったので持ち主である竜王に剣を返すように啓示され、湖の中心近くにある小島で剣を返した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ホアンキエム湖
湖の中心にある小島には現在亀の塔が建立されています。日中はアオザイを来て記念写真を撮るベトナムの方や観光客で賑わっています。また夕方以降は美しいライトアップもあり、湖畔に座り、ライトアップを眺めながらゆっくりと佇んでいる方もみえました。
玉山祠 (ぎょくさんじ/Đền Ngọc Sơn)
玉山祠(ぎょくさんじ)は上記ホアン・キエム湖に浮かぶ小島に建っています。16世紀から18世紀にかけては、この場所には高級官吏チン(鄭)氏が舟遊びの時に使う別荘があったそうです。19世紀に仏寺が建てられ、後に武神として中国の関帝を、更には文神、医神の三神を祀る場所となりました。
現在はさらに13世紀の英雄チャン・フン・ダオ(陳興道)そして1864年以降、祠と周辺の増改築を行った儒学者グエン・ヴァン・スィエウ(阮文超)が祀られています。
玉山祠にはホアン・キエム湖にかかるテーフック(旭棲)橋を渡って行くことができます。
またこちらにはホアン・キエム湖の伝説のモチーフとなった大亀の剥製が展示されています。全長2m、体重250kg以上の大亀は剥製と言えど大迫力です。ベトナムでは亀は神聖な生き物とされ伝説にも多く登場しますが、その実物を目の当たりにさせていただきました。またこの大亀の伝説はのちに紹介するタンロン水上劇場の演目の一つにもなっていました。
リー・タイトー像
ホアン・キエム湖の東側にべトナムの英雄「リー・タイトー(李・太祖)」のブロンズ像があります。ブロンズ像のある公園はリー・タイトー公園と呼ばれています。リー・タイトーはベトナム初の長期政権を築いた李朝の初代皇帝で、現在もベトナムの方々の尊敬を集めています。外国人観光客というよりは、ベトナムの方がアオザイを来てブロンズ像と写真を撮っている姿が印象的でした。
鎮国寺(チャンクオック寺/Chùa Trấn Quốc)
鎮国寺(チャンクオック寺/Chùa Trấn Quốc)は、李南帝(リー・ナム・デ)の時代(544~548年)に建てられた寺で、当時は別の紅河のほとりに建立されていたそうです。しかし紅河の土手が崩れてきたことから1616年に村人により現在のタイ湖畔の小島に移され、名前もチャンクオック寺(鎮国寺)と改称されたとのこと。ハノイでもっとも古い仏教寺院とされています。
またこちらの大きな菩提樹は、1959年当時のインド大統領ラージェーンドラ・プラサード氏により植樹されたそうです。
ホー・チ・ミン廟
ホー・チ・ミン廟は、ベトナムのハノイ市にあるホー・チ・ミンの霊廟です。ホー・チ・ミンはベトナム革命を指導したベトナム建国の父です。建物内には永久保存処置を施されたホー・チ・ミンの遺体が安置されています。入場には荷物チェックがあり、係員による案内に従い列で入場します。私語厳禁、写真やスマホの使用も禁止されています。やや緊張感のある雰囲気ですが、ハノイに来たらぜひ訪れておくべき場所かと思います。
敷地内にはホー・チ・ミンの家、ホー・チ・ミン博物館、一柱寺 (延祐寺)もあり併せて訪問されている方が多いようでした。
タンロン王城遺跡(世界文化遺産)
タンロン王城遺跡はハノイで2002年に発掘された遺跡群で世界文化遺産としても登録されています。遺跡は現在も発掘調査が進行中とのこと。ちなみにタンロン(昇龍)とはハノイの旧称です。
11世紀から19世紀の王宮がフエに遷都する前までの約800年の間、ベトナム諸王朝が都をこの地に置いたため、各時代の遺跡が重なっているのが特徴とのこと。博物館が併設されており、城跡とともに歴史を学ぶことが出来るようになっていました。この日は小学生の団体も多く訪れており、一生懸命ノートにメモを取りながら展示物を鑑賞している姿が印象的でした。
タンロン水上人形劇場
水上人形劇とは、11世紀にベトナム北部の農村で始まったとされる1000年以上の歴史を持つベトナムの伝統芸能です。ハノイにあるタンロン水上人形劇場は1956年にホー・チ・ミンが子どもの娯楽のために建てたもので、現在も修復しながら使われています。連日多くの公演があり、窓口で当日券を購入し鑑賞することができました。
1話が数分の小話が17話続きます。ベトナムの農村地区の風景や、豊作への祈り、伝統的な慣習などが表現されています。他のブログなどにもあるように人形の動きを愉しむには前列席の確保、また日本語ガイド(有料)も借りることが出来るのでこちらの利用はお勧めです。伝統音楽とコミカルな動きの人形劇が織りなすステージは非常に愉しく、有意義な時間となりました。
ベトナム国立歴史博物館
ハノイには多くの博物館があり、 今回訪れたベトナム国立歴史博物館の他にも、ベトナム軍事歴史博物館 、ベトナム女性博物館、ベトナム民族学博物館、ホー・チ・ミン博物館、B52戦勝博物館 などが挙げられます。
ベトナム国立歴史博物館は、ベトナムの伝統的な建築様式とフランスの西洋式の建築様式を融合させた「インドシナ様式建築」の建物としても有名です。国立歴史博物館と革命博物館と2つの建物に分かれていますが、同じチケットで入館することができました。
「国立歴史博物館」の展示は、原始・古代、北属期(中国の支配下にあった時代)、独立王朝時代、フランス統治時代、そして独立後と、ベトナムの歴史すべてを網羅しており、展示を見ながらベトナムの歴史を辿ることができます。展示物を辿っていると、中国支配が始まった時期、フランス統治時期による影響を目の当たりにしたように思いました。
またチャンパー王国の遺産も展示しておりインド好きとしては見逃せない展示でした。チャンパー王国は2世紀末〜17世紀にかけてベトナム中部にチャム人が建てた王国です。4世紀末から「インド化」が進み、ヒンドゥー教的な遺跡が残ります。
ハノイには多くの博物館があるので、次回はぜひ他も訪れてみたいと思います。
ハノイ大教会
ハノイ大教会は1886年に仏教寺院の跡地に建立され、その後1900年初頭に現在の2つの尖塔を有するネオゴシック様式に改築されたとのこと。今回は外観のみの見学となりました。その美しさから多くの方が訪れ、写真を撮影していました。
ハロン湾(世界自然遺産)
ハノイ観光の定番中の定番とされるハロン湾ツアーに参加することにしました。ハノイ観光といっても、ハノイ中心部からバスやフェリーを乗り継ぎ3時間ほどかかります。クアンニン省のハロン市の南に位置し、石灰岩のカルスト地形からなる大小3,000もの奇岩、カットバー・アイランドを始めとする島々が点在します。カットバー・アイランド以外の島は約7,000年前の新石器時代にはわずかに人が住んでいたそうですが、今は無人島になっています。またハロン湾には海上に家を建て、漁業も行いながら暮らしている方々が見えました。
カットバー・アイランドは観光地化も進んでおり観光客で賑わっていました。
今回は初のカヤックも体験し、ハロン湾に点在する島々の間を通り抜けました。世界遺産であるハロン湾の自然が創り出した風景は美しく見飽きることがありませんでした。
また観光ガイドさんが、道中にベトナムの環境、歴史、産業、文化などをはじめ様々なことを解説してくださり非常に有意義な時間を過ごすことができました。
その他
エッグコーヒー発祥の店 Café Giang
地元のガイドさんに教えてもらったエッグコーヒー発祥の店(諸説ありそうですが)して有名なCafé Giangを訪問してみました。 プリンのようなエッグクリームが乗ったコーヒーです。コーヒー自体は、ベトナムコーヒーの特徴でもあるようにかなり強めでした。エッグ・コーヒーは戦時中に牛乳が不足し、牛乳の代替として卵を使うようになったのが始まりとのこと。横浜にも支店があるようなのでぜひ機会があれば訪問してみたいところです。
ヌクマム/フィッシュ・ソース/ナンプラー
家族や親戚が集まる食事の席では、食卓の中心に共有のヌクマム/ナンプラーが置かれるのがベトナム式とのこと。敢えてひとり一つではなく、同じナンプラーを共有することは、家族や友人としての繋がりを意味するとのこと。「ナンプラーは人を繋ぐ」という現地の方の言葉が印象的でした。
おわりに
今回のベトナム・ハノイ訪問を通じて中国による占領やフランス植民地、南北戦争など厳しい歴史を経ながらも、力強く、しなやかに成長を続けるベトナムをもっと知りたいと感じるようになりました。今回ご紹介したのはまだ一部となりますが、場所によっては詳細を別枠でご紹介できればと思います。本日もご覧いただきありがとうございました。