みなさん、こんにちは。引き続きラダックでの日々が続いています。
ラダックでの生活にも徐々に慣れ、ヨーガクラスも1日3クラス継続中。個別でシュッディ・クリヤーなどの実習も始めています。ラダックでは酸素が薄い上に、乾燥が強く鼻腔が詰まりやすいと感じます。ここでのネーティー、カパーラバーティ、プラーナーヤーマは非常に効果的だと痛感しています。
最近は朝食用意でチャパティとバターティー(wiki)の準備などに参加させていただいています。チャパティも徐々にですが丸く伸ばせるようになってきました。
さて、インドのお茶と言えばミルクティー/チャイがまず思い浮かぶと思いますが、ここラダックではバターティーが毎日朝食で出てきます。このバターティーは、主にチベットやブータンを中心としたアジア中央部の遊牧民族や住民が日常飲んでいるお茶となります。
ここレーも標高約3,650mと高地であり、バターティーはカロリー摂取に重要とされ、また乾燥を防ぐ役割も担っています。チベット仏教文化の中でも、僧侶が1日数回のバターティーを飲む慣習があると言われています。ここLNAでも朝と夕方の2回バターティーが提供され、さらにプージャの際にも出されることがあります。
私が初めてバターティーを口にしたのは2014年にダラムサラのダライ・ラマ・テンプルでダライ・ラマ14世の講話に参加した時でした。その時はミルクティーがしょっぱいことに驚きで飲み進めることができませんでしたが、今ではすっかり慣れて美味しくいただいています。
そこで今日はバターティーの作り方を簡単に紹介していきたいと思います。
まずお湯を沸かします。そこに牛乳を入れて沸かしていきます。目分量ですが、印象としては水8対牛乳2くらいの割合です。
まずはお湯を沸かし、そこに追加で牛乳を注ぎます。
次にティーを入れますが、専用の茶葉から濃く抽出した液を注ぎ、さらに塩を入れて軽く混ぜます。
そこまでできたら、今度はドングモ(Dongmo)と呼ばれるバターティーを撹拌する専用の機械に、バターの塊と先ほどの液体を入れて混ぜていきます。
このドングモ(Dongmo)はこの地方では必ず一家に1台はある必需品です。大きさは小さなテーブルに乗るような家庭用サイズから、大人数用のサイズまで。金属製が一般的ですが、小さな村では木製のものもあるとのこと。ドングモやポット、カップなどは経済水準を象徴するそうです。
ドングモを扱う際には、攪拌棒(チャテゥク)を押す時には優しく、引く時には素早く動かすのがコツとのこと。押す時に力が強すぎると、熱々の液体が飛び散ることになります。初めて挑戦させていただきましたが、しっかりと飛び散らせてしまいました、笑。
このドングモでの撹拌作業はとても重要で、牛乳、お茶、塩がしっかりと溶け合うことで美味しいバターティーになるとのこと。慣れた方のリズムは、シュッシュッシュとリズミカルな音がします。
その後再び鍋に戻して、加温しながら味の微調整をして完成です。攪拌後のバターティーは、表面が少し泡だったような感じになっています。
またバターティーを作っている間にも、間があればラダック語のマントラが聞こえてきます。これは外を一緒に歩いていても、料理を作っていても、電球を直していても、尼僧さんたちの口から自然と流れてきます。バターティーの技術だけでなく、マントラや気持ちがより一層の美味しさを作ってくれているように思います。
バターティーは、ラダックの厳しい気候を乗り切るための工夫が詰まった飲み物だと思います。その土地の環境に合わせた飲み物や料理は非常に興味深いです。一気に秋が深まるラダック、朝晩が冷え込んできて、よりバターティーが美味しく感じる今日この頃です。
本日もありがとうございました。